◆ 『カチカチ山』に次ぐ、著者第二句集
知久君の第一句集『カチカチ山』は世話的な味わいに富んだまことに面白い句集であった。
今度の句集『一幹』はこの持味に叙法の練達が加わり、完成度が極めて高い。しかも興が生き生きとしている。
多くの人の熟読を望みたい。石田勝彦(帯文より)
秋扇や肘鉄砲の肘大事
初雀われらは耳をあかくして
寒風のひと薙ぎに立ちあがるもの
手毬唄夕日はちきれさうになり
綿虫やさよならをまだ言はないで
止まり木に並んで春を待つとせむ
威銃のいまごろ酔がまはるとは
わが座すとせば雛壇のどのあたり
帯文・石田勝彦 装丁・千葉皓史
四六判上製カバー装 220頁