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藤城良子さんは、明朗で、闊達、何ごとに対しても積極的で、前向きな性格と承知している。スポーツは卓球、趣味は絵画、通じて心ゆたかな日々を楽しまれている。加えて良子さんはまことに筆まめである。それもきちっと的確にポイントを押え、簡にして要を得た筆運びである。一般に筆まめな人は、俳句もまたこれをよくする。これは私の首唱するところである。良子さんは正にその尺度に符合するお一人と、私はつねづね思っている。(山崎ひさを)
●自選一〇句
花の中押し行く父の車椅子
故郷の赤星山遠し雉子の声
藩校の跡に図書館梅白し
橙や初孫にして男の子
船上に喜寿の宴や月涼し
流木にかけてスケッチ鳥渡る
紫苑咲く母の面影重ねゐし
城郭の中に学校笹子鳴く
思ひ出や共に白鳥見しことも
身の丈の二人暮しや根深汁
[「青山」同人(1937〜)]
定価 本体2476円+税=2600円
序・山崎ひさを
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
200頁
2008.04.17刊行