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◆ 第二句集
更待の叔母様の名の菊子かな
栞・加藤郁乎
如月真菜は恐らく改まって意識するともなく、するすると、いや、ずるずると俳句に於ける羽織落しの型を身に付けたものであろう。
(栞)
裸にて世間のことをどうかうと
雨降れば雨を拝みて生身魂
本町の法被の届く涼しさよ
口論や金魚の水のまつたひら
また違ふねぷた太鼓の近づき来
爽籟や大きく黒く船は沖
ハムカツと復唱したり春の山
ばかたれと小声で言ふや雛飾る
丹前をぬぎ散らかして山眠る
更待の叔母様の名の菊子かな
[きさらぎまな 「童子」同人 「澤」会員]
跋文・楠川あや
装丁・君嶋真理子 栞・加藤郁乎
四六判フランス装/菊判変型並製ソフトカバー