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◆ 第二句集
初蝶は帽子探しに行くごとし
途上さんの最後の句集名を、私の大好きなこの句からとった。ふとこの初蝶が、湘子先生の面影をどこまでも探しにいくような気がしたからである。
序・小川軽舟
●小川軽舟抄出
稲架の棒立てて天心さだまれり
地に直路あり天狼星(シリウス)はいよよ冬
初秋や志賀の雀の畦えらび
賭鶏の地に繚乱と仆れたり
虫籠に入りゆくごとし虫の宿
小牡鹿に偽りのなき手を与ふ
枯野ゆくライカ口径むきだしに
義士の日の星に出遅れなかりけり
橇の犬強き愛撫を奪ひあひ
寒林の鳥声に胸射られたり
定価 本体2762円+税=2900円
序・小川軽舟
装丁・君嶋真理子
4/6判上製函装
240頁
2008.04.05刊