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◆第19回俳人協会新人賞
かつて福永耕二に師事し、今や「馬酔木」のホープとして注目の著者の第一句集。
◆自選十句
涅槃図の余白の我を思ふべし
夕焼を追ふべくありぬ螺旋階
白波も錆びゆくものか日は秋へ
稲は穂に海やはらかくなりしかな
露を結ふ音か月光降る音か
黄落やわが影いづこにもあらず
喪の列の深息が呼ぶ綿虫か
蕪蒸若狭は小橋よりしぐれ
考へる冬?に抗ひとつづつ
マスクして世に容れらるる言吐かず
*
[はしもとえいじ(1947〜)俳人協会幹事]
序:林翔
装丁:平子公一
四六判並製カバー装
238頁
1996.06.11刊行