第35回蛇笏賞受賞!
◆新装版
八月の窓の辺にまた象が来る
はげしい気性を秘めながらも、悠然と来て悠然と去る象への愛惜を、ここにとどめました。
(あとがきより)
◆収録作品より
はつらつと病状をいう梅の昼
まず目鼻塞ぎ雛を納めたり
いまだ来ぬ人にも盛れよさくらんぼ
かの象の戻らぬ道の日雷
長き夜や身を折り膝折り遣りすごす
一日はおまけのごとし茸汁
秋の風低くくること語り継ぐ
炭よけれ手掴みなるが尚よけれ
向い合い善人として餅を食う
*
[うだきよこ(1935〜)「草苑」「未定」同人]
装丁:山崎登
四六判並製カバー装
170頁
2002.06.23刊行