第4回中新田俳句大賞受賞!
◆新句集
批評性から諧謔性までの幅広い自由な作風がすでに完成の域に達していると言ってもいいかもしれない。
(序より:矢島渚男)
第1句集「鮎」以後7年半の間に詠んだ201句を収めた句集。 1991年〜1998年まで。
◆正木ゆう子抄出
青空のはたては闇や秋桜
いつぽんの遠い柳の野分かな
十一月に生まれて十一月淋し
枯蓮や爆発多い映画のあと
狼を飼ひてときをり腕咬ましむ
これ以上淋しくなれば雪が降る
雛祭笑ひこらへるにも力
ゴリラ不機嫌父の日の父あまた
ふくろふの向こう側から顔戻る
海鼠には魔法の解くるときあるべし
*
[わたなべあらた(1953〜)「わの会」幹事]
序:矢島渚男
跋:筑紫磐井
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバ―装
142頁
1998.09.16刊行