平成16年度 北海道新聞俳句賞受賞!
◆第二句集
うとうとと桃の世にをり赤ん坊
著者の生まれ育った北海道・野幌の原始林はいつも目の前にあった。遙かなるものを希求する著者の心の原風景として…。
◆自選十二句
朴の花以後は遺影の母なりし
小鳥来てしばし羽搏く雑木山
子を生みて耳のやさしき白兎
黙?のうしろに春の葱を引く
冬の月欅の千手千手かな
十二月ピアノの部屋に描がゐて
きさらぎをいちにち過ぎし銀の匙
清明や家のいちばん奥に寝て
神の前仏の前を補虫網
雛あられこぼれ一番星二番星
消壺にふくろふの目揃ひけり
鶴守も鶴も日向に来てをりぬ
*
[ながのてるこ(1942〜)]
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
186頁
2004.07.10刊行
○著者略歴
1942年北海道江別市生れ。1975年「道」俳句会入会。1981年「道」俳句作家賞受賞。1982年「道」同人。1990年「道」編集同人。1996年「道」退会。1997年「広軌」同人。1999年第32回北海道俳句協会賞受賞。2001年「広軌」終刊。第1回中北海道現代俳句賞受賞。現代俳句協会会員、北海道俳句協会常任委員。札幌市在住