第20回詩歌文学館賞受賞!
◆第七句集
光年の中の瞬の身初日燃ゆ
九十歳を迎えた著者の第七句集。精神はいよいよ力強くそして軽やかである。老いの輝きともよぶべき向日性とともに、畏友・能村登四郎への追悼句など、悲しみの陰影も色濃く、人生の深い味合いがある。
◆自選十句より
光年の中の瞬の身初日燃ゆ
堰滑る泳ぎ子に「今」が流動す
やはらかに生き熱く生き雑煮餅
草の絮飛んで未来を創るかな
夜の風鈴月の言葉と言ひつべく
ふと踏んで瞬の童心霜柱
われも亦色なきをとこ秋の風
打水や石への愛は日に一度
耳鳴りは宇宙の音か月冴ゆる
この若き心を映せ冬鏡
*
[はやししょう(1914〜)「馬醉木」顧問同人 「沖」最高顧問]
装丁:君嶋真理子
四六判上製ビニール巻函装
256頁
2004.07.28刊行