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俳人濱人を父に持ち、加藤楸邨に師事、清冽なまでに厳しく己を律し、烈火のごとき精神を持った俳人・原田喬。戦地へ赴き、そして敗戦、その後の過酷なシベリア抑留体験等はぬきさしならないかたちで彼の精神にその影をなげかけている。戦争体験を精神の暗部の核として、俳人・原田喬は透徹した眼差しですべてのものを見据える。簡潔な文体をとおして、喬の魂の気迫が充溢する随筆集。
●著者略歴
大正2年3月5日九州小倉に生まれる。昭和14年父濱人につき俳句を学ぶ。昭和16年満州に渡る。昭和20年応召。終戦と共にソ連捕虜となる。昭和23年シベリアより帰還する。昭和32年加藤楸邨に学ぶ。「寒雷」入会。昭和39年「寒雷」同人。昭和50年俳誌「椎」創刊主宰。平成11年多臓器不全のため逝去