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◆ 第四句集
石田波郷・石塚友二の系譜に直接つらなる生活俳句。「俳句は付合」という著者の人生諷詠の興趣は尽きない。
(綾部仁喜)
綾部仁喜選
金盞花師に叱られに来てをりぬ
草餅の手を引込めてしまひけり
年金と土用鰻を卓袱台に
濡れ縁にほつたらかしの籠枕
梅雨の葬そつとしてゐてやらうかな
芒野をまつすぐに来て半ばまで
人の家に憂さはらひをり衣被
雲呼んでゐる波郷忌の風少し
おでん酒決めかねてゐる退職日
生涯を廻り道して芋頭
帯・綾部仁喜
装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装
208頁 2007.09.20刊行