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豈weekly@閑中俳句日記(19)
◆ 日下野由季句集『祈りの天』
◆ 精鋭俳句叢書serie de la fleur
序文・高橋悦男 栞・片山由美子
はくれんの祈りの天にとどきけり
ことばはあくまで易しく、しかし、発想は独自で鋭く繊細である。しかも、言葉に汚れがなく、透明で清純である。(序・高橋悦男)
飛び越せぬ川のありけり鳥雲に
菜の花や明日を明るき日と思ふ
ソーダ水楽しき刻を飲み干して
いちまいの水となりゆく薄氷
踏青や背に透明な羽根生えて
銀漢や一生分といふ逢瀬
引く波は見えず十一月の海
星涼し夜空に沖のあるやうな
いくたびも白きもの翔つ冬の海
白鳥に似てセーターの厚き胸
*
装丁・君嶋真理子
四六判並製小口折表紙
180頁 2007.09.01刊行