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◆ 第一句集
ネクタイは彗星の尾よ夏はじめ
俳句では「写生」が重視されるように、とかく微細なものを丁寧に詠みこんでいくのが本道とされるが、このようにマクロ的なスケールの大きな見方は新しい俳句への挑戦の一つなのかも知れない。(序)
春帽子置けば羽音がするだらう
シャボン玉どの一室に我ゐるや
アイスコーヒー二十時の男寂ぶ
観覧車夜空の泉汲んできし
亀生るる眼は小さき海なりし
死はいつも我ではなくて雲の峰
太陽の飛沫ぷちぷちプチトマト
露の朝吾も一滴として目覚む
秋の日や動く歩道の横歩く
太陽ははるかな孤島鳥渡る
序文・能村研三 栞・谷口摩耶
装丁・君嶋真理子
四六判フランス装/菊判変型並製ソフトカバー
186頁 2007.09.15刊行