◆ 贈答句436句収録
俳句は挨拶である。それは、自然に対する挨拶と、人間に対する挨拶に分けられる。『啓上』は、後者の贈答句(慶弔句)をまとめた句集であり、昭和32年から平成12年までに発表した中から436句を収録した。 著者(あとがきより)
松村旱夫(禎三)氏の結婚を祝して
南風よりも気球やはらか蜜月旅行
水原秋櫻子先生を悼み
大滝のあぐるしぶきのとこしなへ
靖国神社みたま祭(献句)
玉砂利にまぎれて青き落し文
山崎矢寸尾句集『星座』序句
大犬も座につき寒の星そろふ
「細見綾子を偲ぶ会」
着こなしはふだん着にこそ石蕗の花
成田千空主宰「萬緑」六〇〇号を祝して
千空に悟空の力ゆめはじめ
装丁・君嶋真理子 四六判フランス装 225頁
●著者略歴
昭和5年10月5日、山形県生まれ。山口誓子・秋元不死男に師事。同53年、「狩」を創刊、主宰。毎日新聞、NHK全国俳句大会などの俳句選者。(社)俳人協会会長、(社)日本文芸家協会理事、国際俳句交流協会顧問、日本詩歌文学館振興会理事、(財)虚子記念文学館理事、(財)白山麓僻村塾教授。句集『誕生』(俳人協会賞)、『平遠』(芸術選奨文部大臣新人賞)のほか、俳論、随筆、入門書、歳時記など著書多数