[立ち読みする]
◆ 第一句集
少し淋しげで
少しつまらなそうな
詩を書く若い女性が
俳句と出会って
退屈しなくなった
よき伴侶を得て
ほんとうの詩人になった
彼女に訪れた風を
祝福したい
(帯・西村和子)
「太テエ女ト言ハレタ書イタ一葉忌」
一葉の素顔を説く多くの評論家は、彼女のなかなかのしたたかさを指摘する。しかし、誰が何と言おうと一葉は一葉であり、その文学の芳しいことに何ら変わるところはない。(序・行方克巳)
太テエ女ト言ハレタ書イタ一葉忌
夢ばかり見てゐる初夢もなく
白地着て風を迎へにゆく日かな
猫はタマ犬はタローよ福寿草
浜昼顔見てさびしくて手をつなぐ
かなかなや断ち切るごとくテレビつけ
薔薇咲かせ母の美しかつた頃
息かけてビル倒さうか小六月
生きてゐることに気づかぬ雛かな
鳴神の訪れたりし夫の留守
(西村和子選)
Amazonでの本の購入はこちらより→ Amazon
序文・行方克巳 帯・西村和子
装丁・君嶋真理子
四六判並製小口折表紙
180頁 2007.09.26刊行