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この句集はきわめて多面的であり、読む者によって異なる豊穣な作品を含んでいるにちがいなく、「梟」の仲間として自信をもって世に送り出したいと思う。『安房発』と名付ける所以である。　序・矢島渚男

安房二月さくらの山に海を見て
花を売る海女が海女呼ぶあたたかし
大男溺るるごとく鯨割く