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第31回 俳人協会新人賞受賞!
◆精選俳句叢書「雪」シリーズ
秋の水ひかりの底を流れをり
ひとつひとつ絵を見るように、作者が選び取った光景を見、抽出した音を聞き、憧れを感じ取る。そうするうちに鳥の重さ以上のものが、心に残ることだろう。
(栞より:西村和子)
◆自選十五句より
硝子器に浸してありぬ花の枝
フランネル草夕空に息吐いてをり
夏至の太陽葬送の列にあり
遠花火われしづかさの底にゐる
濤音を歩きつづける月の海
けふ咲いてゐる花ふゆのはなわらび
どの石もゆふべの落花浴びてをり
夕立来る大き一枚硝子かな
深吉野の奥へ奥へと昼の月
五月雨や石はあかりのやうにあり
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[いごしよしこ(1958〜)「青山」同人]
栞:西村和子
装丁:君嶋真理子
四六判並製小口折表紙グラシン巻き
162頁
2007.09.25刊行