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◆ 第一句集
「春立つやヨガのポーズの鳥となり」
素材の面白さと典子さんのモダンな感覚が一致した時、類想のない若々しい句となる。掲句、鳥と化して瞑想する時「春立つ」を体感したのであろう。多面的な典子俳句の一面である。
(序・藤木倶子)
自選一〇句
命名の墨痕匂ふ初硯
裸婦像A恩師の個展あたたかし
友の声隔てて滝の落ちにけり
楷の樹の緑蔭に入り楷仰ぐ
ジーンズの脚くねらせて祭獅子
春立つやヨガのポーズの鳥となり
夫のものもう竿になし秋の雲
春寒し鍼灸院の人體圖
紅薔薇を活けてココアの香りかな
そぞろなる一歩一景冬紅葉
序文・藤木倶子 跋文・松島千代
装丁・君嶋真理子
四六判上製函装
218頁 2007.10.02刊行