◆ 朝俊英句集シリーズ 第三回配本!
立葵老いては背筋伸ばすべく
この最近作に、椎熊さんの不屈の若さを見る思いがする。嬉しくも、また、見事な作と拝見した。「あとがき」で椎熊さんは、かつて志した仏像と俳句の一体化が全く進んで居ないと嘆いておられるが、この温かく、かつ、潔い一集の上梓は確かなる自己の存在の記録であり、更に、人生無二の同行者であった奥様への、何ものにもまさる愛と感謝のメッセージではあるまいか、と愚考する。心より句集上梓のお祝いを申しあげるとともに、奥様のご冥福と、椎熊さんの今後のご平安をお祈り申しあげる。
岡本眸(序文より)
緋カンナやホームの端に夕日射し
花吹雪幹黒ぐろと支へをり
鋭角の如く極暑の来りけり
深梅雨や寝間に遺りし妻の杖
虫しぐれ一人へ帰る暗き門
小さきもの寄りて目立ちて犬ふぐり
序文・岡本眸 装丁・君嶋真理子
A5判上製カバー装 112頁
●著者略歴
大正3年7月1日生。千葉県出身。昭和57年「朝」入会