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◆ 第一句集
人は何のために俳句を作るのか。俳句を作ることによって、世界の見え方がそれまでとは違ってくる。納得のいく俳句が出来て、自分はこの句を作るために俳句を始めたのだ、と思えることがある。中山さんの句集『海』には、そのような瞬間の数々が、白波のようにまばゆくきらめいている。(小川軽舟)
●小川軽舟選
冬の海見て来し夜の夢に父
花ユッカ青春の日の海がある
連想のはじめは雲や西行忌
海の絵に海のひびきや夏館
初秋のわれを待ちゐる机かな
寒雷や衣桁に夫の革ベルト
春雪や夫婦の時間減るばかり
おのづから膝におく手や春夕
まんばうの前汗の顔たて直す
俤や胡桃二つをころがして
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序文/帯・小川軽舟
装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装
196頁 2007.09.14刊行