甘えのない人生を歩んだ人の哀しさは、精一杯生きた清々しさを湛えて、触れる者の心を揺する。77歳の誕生日を祝ってまとめた歌集。
◆ 著者第一歌集 毅然たる歩みに
黄昏の淡い光を浴びて、あなたが自分の生きた証に、魂の底にある声を短歌の形で発散させたい、と痛切に願い、尽きぬ思いを託したのがこの歌集です。
甘えのない人生を歩んだ人の哀しさは、精いっぱい生きた清々しさを湛えて、それに触れる者の心を揺すらずにはおきません。
宮田毬栄(序文より)
紅引いて老残のなき我なれば心はなやぐ花日和なり
春よ春心の衣脱ぎ捨てていづこの果へ飛んで行きたし
見渡せば故里に似し夏の野辺あをあをとして命輝く
赤とんぼ止りて萩の揺れうごき幸せなんぞ一握りなり
赤く燃えし炭火に両手かざしたら心さまざま夢もさまざま
序文・宮田毬栄 装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装 221頁