◆ この閉塞しつつある混迷の世を如何に生きるか?
自らの未来を自ら切り拓こうといている君に、この歌集を贈る!
私が求め、私が満足する短歌とはどのようなものか? それは私の心に強く響いてくる歌である。私という、小さく不安に満ち、かつ未熟な存在を励まし、勇気づけ慰めてくれる、あるいは快い思いに導いてくれる、つまり心を打つ有用の歌である。この混沌とし不条理とも思われる世に、個として強く生き抜くため、主体的で成熟した価値生産者としての自己建設が、私にとっては第一義の課題だからである。
著者(あとがきより)
征きて死し父を想いぬ海神の夕映えの浪輝けるとき
我が園を拓かんとして野に立つに野獣の血また蘇るなり
共に来てまた共に行く夜もすがら心の影と月を背にして
葛藤の雲居も今はたなびきて青さも澄みし秋の大空
我が内の秘めたる誇り創る我贈り得る我赦せ得る我
装丁・君島真理子 B6版並製ソフトカバー装 68頁