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◆ 著者、『樸簡』に次ぐ第三句集!
<よろよろと畦のかよへる春田かな>
前句集『樸簡』で俳人協会賞を受賞した著者の待望の第三句集。省略と切れ、韻文精神がすみずみまで行き渡った清爽にして闊達な作品世界。
(帯文より)
一羽来て帰雁の列となりにけり
はくれんに朝日うやうやしくありぬ
ちかぢかと富士の暮れゆく秋袷
投げ渡す魚が飛んで簗の秋
懇ろな日の消えにけり枯蓮
しろばんば声にこたふる声きこゆ
くらやみを年来つつあり峠の木
寒木を寒木として立たしめよ
寒鴉ひとこゑは空さびしきかな
まつすぐに声の出でたる追儺かな
装丁・君嶋真理子 四六判函装(フランス装) 178頁
●著者略歴
昭和4年3月26日東京八王子に生る。昭和28年「鶴」入会、石田波郷門。昭和49年「泉」入会、創刊同人。句集『樸簡』で第34回俳人協会賞受賞。「泉」主宰。俳人協会評議員。日本文芸家協会会員