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◆ 第一句集
「炉話や火箸ときをり銃となり」炉話に熱中していつのまにか火箸が小道具に。「遅れ来て眼鏡くもりぬ牡丹鍋」眼鏡の玉のくもりに、遅刻してきた人のあわてている心理も表現。『豆剣士』の題名が示すように、「泣初は面の中なり豆剣士」「面つける速さもきそひ寒稽古」など、剣道に励む子供の様子をいきいきと描き、まなざしに愛情が満ちている。生活実感の上に立ち、鋭い観察力とぬくもりにあふれる一巻である。(鷹羽狩行)
日に一喜雲に一憂日向ぼこ
勾玉の垂れたるさまに秋茄子
あらそひのもとはといへば福袋
打つてみせ打たせてみせて寒稽古
鉄風鈴鳴つて南部の風を呼ぶ
いかのぼり糸におくれて落ちにけり
みちのくの星の見下ろす佞武多かな
探梅やときをり彦根城仰ぎ
はからずも見合となりし踊の夜
天よりの喝わが肩へ木の実落つ
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序句・鑑賞二句/鷹羽狩行 跋文・岬 雪夫
装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装
192頁 2007.10.25刊行