◆現代俳句文庫シリーズ
太白の語りそめたる初桜
◆収録作品
『蛍川』(抄)
『こぶし坂』(抄)
『こぶし坂』以後
◆収録作品より
早春の日が編棒に来て跳る
竹秋や盛衰もなきわが生家
毬抜けしばかりの栗の濡れゐたり
留守の戸に挟む貸本鶏頭花
夏帯に匂袋の紅のぞく
母と子の夏帽子重ねおくベンチ
その次のすこし淋しき花火かな
野路の名の七変化とや若菜摘む
寒牡丹影生むこともひそやかに
波音を聞きに来てゐる卒業子
*
[やまだひろこ(1934〜)]
解説:山内山彦
装丁:スタジオ・ギブ
表紙写真:武内理能
四六判ペーパーバック
104頁
1993.07.15刊行