[立ち読みする]
◆現代俳句文庫シリーズ
霜夜にて胡桃楸邨栗波郷
◆収録作品
『流沙』(抄)
『蝶まんだら』(抄)
『紙衣』(抄)
◆収録作品より
キャベツ切口真白層なし颱風来
母恋ふ夜黄菊しびるるほど濃ゆし
寒椿ひらくか十指枯色す
落葉して天とわれの間澄みとほる
おどけ顔泣き顔どれも寒卵
術前のしらぎぬ透る雪の冷え
飯の前死の前音なく雪はげし
切に生きたし玻璃に春星磨きしごと
蝶生れて日の出へ声なき身を燃やす
瞳も耳も蓬髪の奥燕待つ
*
[こひやましげこ(1931〜)]
解説:筑紫磐井
装丁:スタジオ・ギブ
表紙写真:武内理能
四六判ペーパーバック
104頁
1994.01.20刊行