[立ち読みする]
◆現代俳句文庫シリーズ
燈明に離れて坐る朧かな
◆収録作品
『藍甕』（抄）
『青海波』（抄）
◆収録作品より
かなかなや水のことばを水が聞く
曼珠沙華の朱をきて母に会ひに行く
眼の下に舟をとほせる暑さかな
人形の肩よく泣けり白桔梗
街川を夕陽抜け出て盆をどり
酌む手元風に狂ひて磯祭
水底に真鯉のほてり青芒
しばらくは平手で煽る霧の蝋燭
湖底まで続く落葉の径のあり
児らの頭が船窓とほる鳥雲
＊
[さいとううめこ（1929〜）]
解説：永島靖子 福田甲子雄
装丁：スタジオ・ギブ
表紙写真：武内理能
四六判ぺーパーバック
104頁
1994.09.20刊行
