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◆現代俳句文庫シリーズ
遊牧の民が火を焚く炎天下
◆収録作品
『光体』（抄）
『遊牧』（抄）
『三人の四季』（抄）
『塔』（抄）
◆収録作品より
芽吹く木の瘤より接木農夫の婚
海女潜ぐる海の明るさ地に残し
天へ向く野蒜のあをさ父の国
雪錆びの網抜け雪は潟へ吹く
冬虹の明日なき潟に光り合ふ
風鈴の泣く夜農婦ら血を休む
西日射す位置変らずに辞書づくり
浜木綿の沖にぎりしめ児は眠る
霜焼けの子の手がつくる砂の塔
眠るときいつも六角の雪が降る
＊
[さがわひろじ（1939〜）俳人協会幹事]
解説：大串章 石原八束
装丁：スタジオ・ギブ
表紙写真：武内理能
四六判ぺーパーバック
104頁
1994.10.10刊行
