[立ち読みする]
[池田實『もう 誰も問わない』](「詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)」より)
◆新詩集
今世界は不明の未来に開かれ
根源的な不安に青ざめている
発狂する神話
黒い死児を産み続ける寓意
それでも未生のものたちの時間が
静かに開示されていく
私はこれらの詩によって何かを主張し、何かを求めているのではない。
詩集という場所に「私」の世界それ自体としての「もの」を置いたのにすぎない。
(「後記にかえて」より)
◆目次より
濃密な闇の中で/溶けていく形/鎮魂/記憶の存在しない空間/もう 誰も問わない/密約/卵の卵の卵の……/あなたの子です/桜花の下で/道標で/思念の蛇/未生のものたちへ/巨大な卵/女神が見下ろす平和な世界/孔雀と猫/黄金の靴を履いたス/ラップ/マスが消えていく日々/配達不能郵便/視野の虚構/ゴームリーの彫像/天使が通るとき/存在の果実/後記にかえて
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[いけだみのる]
装丁:手塚敦史
菊判変型並製カバー装
122頁
2007.01.01刊行