◆第一詩集
どこへ 沈んだのだろう
南の国の アルファベットの きれぎれ
ひとかけらでも 流れついたのであろうか
海の穴ぐらの奥深く 心室という祭壇の近く
まで わたしの 風うた
(「発表会」より)
◆あとがきより
読み返してみると、どの詩にも、忘れていたその時の風景や”自分”のかけらが埋め込まれているのが見え、あらためて、「かく」という作業は時を保存しておく方法でもあったのか、と気づかされました。
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[つじゆうこ(1942〜)]
装丁:君嶋真理子
菊判並製グラシン巻き
96頁
2004.11.03刊行