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◆ 第一句集
清らかな心ばえ 友岡子郷
何よりもかけがえのない点は、外界の対象に向き合って、たんなる好奇心が先立つのではなく、その胸懐にあるものが障りなく対象に融和している点である。そこに煩雑なものはなく、みな温かく清らかに和している。清らかな心ばえ、と私は呼びたい。
明け暮れの何かが遠し花辛夷
松の芯一子異国に教師たる
砂防林囀れるたび沙こぼれ
泊船の白としばらく冬木道
継ぎはぎの埴輪の馬に春の風
蕗原の蕗の身丈の童子仏
冬麗や松に威のある国分寺
素心とは冬青草のひとところ
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序文・友岡子郷
装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装
213頁 2007.11.11刊行