[立ち読みする]
◆ 新詩集
収録の詩は、二十代前半から三十代前半に書かれたものである。その間に生活は様々に変化はしたが、松葉杖の例からも窺えるように、自分は何も分かってなかった。乏しい想像力と生活経験から書かれた詩。思い込みと怒りだけで書かれている。
確かに不具であるが、彼らはかわいい。彼らは僕と共に常に一緒にあった。この詩集で手厚く埋葬してあげよう。もう行かなければならないんだ。著者(あとがきより)
目次
1 旅人/砂利道/ま/僕・廃業/
2 異人/陽気なカラー・スナップ/回想電車/私は一人の少年です/オルゴール/童夢
3 夏/そういう人に私はなりたい/櫻の木の下で逢いましょう/こんな夢を見た
4 海へ/世界はじーんと降ってくる/竹林の寺/春の記憶/白痴と夕日とラッパ
5 都市生活者のススメ/街/シーサイドラインモノレール/風の強く吹く夜と/砂漠の夜の夢/救済
==================
海 へ
石ころ穴ぼこ 在りかを憶え
日毎濃くなる影の
行きつけの場所
お好みの仕草
すっかり身につけた
頃
靴の内側ばかり擦り減り
転ぶ
そのまま草に寝
裸足になれば
きっと思い出す
この道は遙か海へと続いている
==================
装丁・君嶋真理子 菊判変形上製カバー装 81頁
●著者略歴
2月11日大阪生まれ。上越教育大学大学院修士課程修了。平成2年より、東京都公立中学校教諭。平成14年度より、ロンドン日本人学校へ赴任