[立ち読みする]
◆第一詩集
勾配のきつい坂には
泳げない私がいる
小さなガラスの破片はそっと黒光りしている
(帯より)
◆あとがきより
夜中に一人で聞く物音は怖い。ねぐるしくて開けた窓から聞こえる酔っぱらいの嬌声も怖い。虫の音もしんと冷え込む部屋に響けば怖い。非常ベルだって。でも、誤作動の非常ベルの夜なら、びっくりしたあとはいつも、苦笑いで、普段ほとんどつきあいのない隣人たちとも、なぜか懐かしくあいさつを交すのです。
*
[かわもとまちこ(1973〜)]
装丁:君嶋真理子
菊判並製
112頁
1999.06.10刊行