「大内山の緑仁川の緑かな」「大往生といふといへども梅雨寒し」 喜びの句150句、悲しみの句300句。著者の身辺に起こった慶事弔事の集成。
俳句は存問の詩という。存問の意味を広げて、自然と自然の挨拶までも存問と考えると、人間対人間の挨拶、とりわけ慶弔の挨拶ほど生臭い挨拶はないように著者には思われる。もし直接にその生臭さに触れないで、自然諷詠に托して挨拶の心が表現出来れば、それこそ妙味と喜べるのであろう。本著は「晴の日」と「雨の日」の二章に分けた。「晴の日」はよろこび「雨の日」はかなしびの句。作年順に並べた。