書籍詳細

山口都茂女句集『狐火』(きつねび) [9784894021631]

販売価格: 2,524円(税別)

(税込: 2,776円)

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◆ふらんす堂女流俳句叢書
今も昔も、山口都茂女さんは私にとって先輩である。いくら先生などと私に言って下さってもそれは聞こえない。私は生意気にも、高校生の頃から、生涯一女書生を生きてみようと決めてきた。あえて邪慳な生き方を貫かせて頂きたいと希ってもいる。都茂女さんはそんな私と違って、女の中の女、邪慳とは程遠い、濃すぎるほどの情の女である。一巻の作品が何よりそれを示している。しかし、
かねたたき老女になれず成り難し
などと詠んでもおられる一句のほとりに佇んで、私は生涯のこの大先輩に、あらためて深い友情と共感を覚えるのである。
(栞より)


◆収録作品より
汗拭いて女の右に座りけり
鰐口のなまくら鳴りに麦の秋
行々子潜めば寺の大きかり
常陸高野なかなか脱がぬ竹の皮
髪洗ふ妖精とゆびさされけり
処暑の水たつぷり墓の先生に
岩魚釣マッチのほかに山刀
羽抜鶏鳴かねばたるむ首の皮
二条の滝ほどよく離れ落ちにけり
いつ過ぎし狐の関所朴の花


[やまぐちともじょ(1932〜)「みちのく」同人 俳人協会会員]
栞:黒田杏子
装丁:スタジオ・ギブ 川島進
B6判並製フランス装函入り
182頁
1996.07.21刊行
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