◆ふらんす堂女流俳句叢書
地吹雪のなか身ひとつの寧きかな
瓔珞風
(栞より)
◆収録作品より
伊賀こえて猿に小蓑をおとしだま
空想の空も凍てたり轍あと
元日の輓馬になにを振舞わむ
冬枯れへ馬は耳うごかすばかり
雪富士を白の鸚鵡に見せたくて
雪礫手につかのまの富士全姿
ふみ入れば起伏はげしき雪樹海
樹海はや佐保姫の見え隠れせる
富士を裹み立春の雨巨いなる
きさらぎの富士見西行猫背かな
*
[しぶやみち(1926〜)現代俳句協会・連句協会・俳文学会各会員]
栞:永末恵子
装丁:スタジオ・ギブ 川島進
B6判並製フランス装函入り
166頁
1996.05.15刊行