書籍詳細

清水洋子句集『小鳥来る』(ことりくる) [9784894021303]

販売価格: 1,845円(税別)

(税込: 2,030円)

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書籍詳細

◆現代俳句女流シリーズ燦
生涯の影のような病身を肯定しつつ、独りの生活に悲しくも慣れつつ、自前に生きる昨今。作者の人柄のように弱々しそうだが芯は勁く、繊細だが鋭く、真面目だがどこかで微笑しているような句風にすぐ気付く。そして、思わぬ烈しさを句の中に見つけ、頼しくも凄味を感じるのである。
薔薇の家喪がありてより薔薇荒ぶ
夜濯やひらひらうすきものばかり
(帯より)

敗戦後間もなく、すっかり内攻し、必死に己を探り続けました。
日々の中から私を案じてくれる父母にすまない思いが十七文字となり、一句一句記してまいりました。
(あとがきより)


◆収録作品より
ひぐらしや父に詫びたき言葉あり
こころの襞しづかにたたみ若葉雨
白地着て正座の父を怖れけり
かたかたと塔婆の独語風の秋
ラフマニノフの華麗なしらべ夏に入る
天渺々秋風奪ひゆきしもの
父恋へば無限にめぐる切子かな
薔薇の家喪がありてより薔薇荒ぶ
俳画展の小さな記事や春星忌
水暗く睡蓮の芽の立ちはじむ


[しみずようこ(1929〜)「木語」同人 俳人協会会員]
栞:吉野洋子
帯・序:山田みづえ
装丁:スタジオ・ギブ 川島進
A5判上製カバー装
112頁
1995.08.10刊行
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