第20回俳人協会新人賞受賞!
◆21世紀俳人シリーズ
◆第一句集
俳句の骨法というか、曰く言い難き何かをしっかり持っていることがわかる。
それが何よりもいいと思われる。
(序より)
◆収録作品より
春浅し父の叱言を聞きにゆく
アネモネの活けてありけり父の家
強東風にとんでゆきたき女の子
道のみなここに集まる芽吹き山
来ることの嬉しき燕きたりけり
よきことのありて花屋にチューリップ
まつくらな雨降りにけり蜆汁
春愁の顔つくろはぬ歩みなり
引鴨にやはらかく口噤みゐる
春手套すなほになりて坐りけり
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[いしだきょうこ(1958〜)「木語」同人 俳人協会会員]
栞:千葉皓史
序:山田みづえ
装丁:スタジオ・ギブ 川島進
四六判上製カバー装
192頁
1996.05.10刊行