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◆ 第1句集
還暦という年回りにあたり、この数年書き溜めた作品のなかから三三五句を選び、句集『赫いハンカチ』を上梓することといたします。句集名は、拙句「穴惑ひ赫いハンカチ贈られて」に由ります。もとより実生の俳句ではありますが、「団塊世代のつぶやき」とでも呼ぶべきものを、お伝えできればと念じる次第です。(あとがき)
葭切や水を湛へる星に棲み
海からも山からも吹くえごの花
秋澄めり種の弾ける音のして
谷戸へ行く小道小暗き水引草
穴惑ひ赫いハンカチ贈られて
冬すみれ憎まれ口をききにけり
地魚を握つてもらふ鬼房忌
六十の馬鹿馬鹿しさや走炭
花きぶしまたひと冬を生かされて
一本の少年の日の山ざくら
装丁・君嶋真理子
四六判フランス装
188頁
2007.02.2刊行