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◆ 第一句集
風上にいつしか移り春の鴨
やさしい情感にあふれた句である。 この句が大峯あきら選に入ったことが、自分の俳句開眼になったのだと、中山さんは述懐する。 滝口の水に神具を洗ひをり 式内社日の丸あげて根雪かな 景色が鮮やかである。それは、季節に心がかよい、対象を客観的にみる目が生きているからだ。今後、ますますの佳吟をかさねられることであろう。 (山本洋子・帯文)
病む人に明るすぎたる望の月
一つ葉や風吹き抜ける大書院
ひとしきり時雨のありし祝の庭
お旅所の前の大きな古巣かな
太梁や真正面に雛飾り
(山本洋子抄出)
帯・山本洋子
装丁・君嶋真理子 四六判上製カバー装 160頁