[立ち読みする]
万葉の世への愛とあこがれが、野の花のように咲き乱れ、ひとりの女性としての春秋が一途にうたわれる。1998年から2006年までの作品を収録した第2句集。
燈火親し「方丈記私記」ひもとけば
数珠玉やこの畦道が古代みち
春渚ジョニージョニーと少女が呼ぶ
かへるさの秋篠川の月明り
読初はこゑに茨木のり子の詩
独り身の気楽をいはれ燗熱し
母の忌や梅酒の琥珀色深め
触られてくすぐつたさう追儺鬼
横顔のをとめさびけり卒業歌
白菖蒲ほぐるる力もて揺るる
序文・西村和子 帯・行方克巳
装丁・君嶋真理子
四六判変型上製カバー装 200頁
●著者略歴
1932年北九州市に生まれる。1955年奈良女子大学文学部(国語国文学科)卒業。1975年朝日カルチャー「清崎俳句教室」入門。1977年「若葉」入会。1996年「知音」創刊同人。俳人協会会員。