◆ 第三句集
『翠巒』は『北回帰線』『そっ(口+卒)啄』に続く第三句集である。秋葉さんは月に三回は私の句会に参加され、その後の酒席にも必ずご一緒いただくが、酒を呑んでいても粋を感じる江戸っ子で、その場を楽しくしていただいている。俳句のみならず、芸術全般にも博識を持ち備えている方なので、そこから湧きでる詞芸も豊かで味がある。先師登四郎の七回忌に合わせた出版になったことにも深い縁を感じる。
(能村研三・帯より)
喧嘩独楽はじき合うては寄り添へる
あす勢ふ形に干され祭足袋
えり(魚+入)簀編む竹の強情なだめては
春繊月沙漠の仮寝いかならむ
千貫を百の肩舁く夜の神輿
湯ざめ顔して朝の電飾ツリー街
翠巒の襞くつきりと田水張る
てくてくと私てふてふは秋の蝶
鳥葬の国をめざして鷹わたる
筆順に似て高嶺より枯れくだる
「沖」蒼茫集同人 (1927〜)
定価 本体2571円+税=2700円
帯・能村研三
装丁・君嶋真理子
四六判並製ソフトカバーちり付函入
202頁 2007.04.15刊行