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平成11年以前のものから17年までの入選句を再選してまとめた句集。繊細な感性を新しい物の見方、言葉の繰り方で詠みこんだ句を収録する。
◆ 第1句集
俳句という短い詩型の中に、古い季節の幻影を引く季題が入るだけでも、出来る俳句は大方古くなる。それを脱出して、新しい俳句を作るには、物の見方、感じ方、言葉の新しさ、言葉の操り方の新しさ。数えればきりもない新しさの要因がある。くにを氏の俳句は、それらのことを余り気にしないでクリアーしているように見える。天賦の才と言っても過言ではないと思う。 (後藤比奈夫・序より)
菖蒲湯は頑固親父の心意気
混沌の世の片隅に初桜
上七軒くろすけといふ梅の茶屋
ワイパーで流してしまふ初しぐれ
寅さんの春の風吹く矢切かな
序文/題簽・後藤比奈夫
装丁・君嶋真理子 四六判上製函入り総クロス装 156頁
●著者略歴
本名、邦雄。昭和20年8月15日京都府宮津市栗田町字上司生。昭和39年京都市立洛陽工業高等学校電気通信科卒業。昭和39年京阪神急行電鉄株式会社(現阪急電鉄)に入社、京都線検車課に配属。昭和40年阪急俳句会に入会、後藤夜半先生に師事。昭和42年阪急俳句会退会。平成10年阪急俳句会再入会、後藤比奈夫先生に師事。平成15年「諷詠」同人に推挙。平成17年阪急電鉄株式会社鉄道事業本部車両課定年退職