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出会いと別れに見られる人生の深淵を覗き込んだ味わいに満ちた第1句集。
稲妻やいのち日数に数へられ
省子さんの「みちのく通い」は、以前と変わりないものだったが、この集の作品に見られる「旅」の一期一会の思いはより深いものになって来ている。この度の句業は、積み重ねた齡の重みに加えて、出会いと別れに見られる人生の深淵を覗き込んだ味わいに満ち満ちている。 (序)
揉み合うてまた雪呼べり荒梵天
海鳴りの雨ともならず半夏生
八重洲大路ふと秋風に出遇ひけり
散りつくすまでの落葉を掃きにけり
明け方の遠き海鳴り七日盆
夕長し暮らしの裏を神田川
序文・木附沢麦青
装丁・君嶋真理子 四六判並製ソフトカバーグラシン巻き 150頁
●著者略歴
本名・省(せい)。大正12年9月19日藤沢市生。昭和36年中村汀女主宰「風花」入会。昭和63年汀女先生逝去まで。同人。昭和43年横手かまくら吟社入会。昭和52年「北鈴」入会。昭和59年終刊まで。同人。昭和63年「青嶺」入会。平成2年村田脩主宰「萩」入会、同人。平成8年退会。昭和55年北鈴新人賞。平成4年青嶺賞。現在、青嶺同人、かまくら吟社会員、俳人協会会員