◆第一句集
真暗な湿地の道の蛍かな
本集は、どのページを開いても即物的に対象を詠んだ清新な句に逢うことができる。
土井めいこさんの句集『SAUDADE』が多くの人に読まれることを心から願っている。
(序より・大木あまり)
◆作品紹介
ハンモック親子で揺れて波の音
瀑布背に家族写真の若かりし
逃げ回る小さき尻や天瓜粉
幼子のサンバダンスや風光る
背伸びして小さき指や初みくじ
夏夕べ扉の影に猫の居て
路地裏の間合ひ程よき恋の猫
転がりし素焼きの鉢の弁慶草
吹雪中ただ一台の郵便車
寒月下自販機からの温もりよ
*
[どいめいこ(1948〜2025)]
装丁:和兔
四六判並製小口折り装
108頁
2025/12/03刊行