◆第一句集
海嘯の遠鳴るころや鯨来る
このたびの句集名「海嘯」は、能村研三先生より賜りました。
私の生まれ育った安房の国の海原が輝いてくるようです。
(著者)
序:能村研三
跋:森岡正作
◆辻美奈子十五句抄出
稿を待つ鎌倉に月上がるまで
はるかより海光降れり白障子
国和ぐを願ひしわが名終戦日
搾乳の桶に紫雲英の香りせり
唐桟の機初にして海の紺
風干しの鰈あぶりて四日かな
母牛の背にしみとほる菜種梅雨
来るはずの真白き雁を待つ夜明け
追憶のやうに黄砂の降りしきる
初萩と吹かるるままに四姉妹
積み上げし本の断面十二月
海嘯の遠鳴るころや鯨来る
彼岸潮伊八の波の飛ぶあたり
束稲山の巨岩を句碑に楸邨忌
火をつかふ静けさにゐて初時雨
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[くりつぼなぎこ(1945〜)「沖」副編集長]
序:能村研三
跋:森岡正作
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装グラシン巻函入
216頁
2025/11/27刊行