◆第一句集
東風吹かば我はちくわの磯辺揚げ
「東風吹かば」ときたら菅原道真の飛び梅を連想するが、それを連想させながらも、不意に「ちくわの磯辺揚げ」へ転じるのが面白い。飛び梅とちくわの磯辺揚げがぶつかるというか相互に交響して不思議なおかしみを生じる。そのおかしみが俳句という定型詩の生む詩に違いない。
(「ユヤさんの四季の句」より 坪内稔典)
◆ 「窓の会」メンバー 一句選(敬称略)
かき氷あたしの中の鍾乳洞 小西雅子
早春のカリアゲちょっと触らせて 谷 さやん
この枝垂れ桜が銀河まわします 津田このみ
凩や丸いわたしが三角に 原 ゆき
ひとつぶを外し葡萄の城に入る 山本純子
[みずきゆや「窓の会」会員]
装丁:和兔
四六判変形並製カバー装
84頁
2025/09/25刊行