◆第一句集
夕暮れをさびしがる母白粉花
原田さんの句には力みやこれみよがしなところは全くない。
一句一句にちょっとした工夫があるのだが、
それを技巧とは感じさせないところが魅力である。
(序より・片山由美子)
◆片山由美子抄出十句
避暑の荷のひとつ九官鳥の籠
手を拭きて母の加はる庭花火
ひかり置くやうに初蝶とまりけり
待ち人が来る噴水の立ち上がり
日脚伸ぶ一日にして家組まれ
水筒を沈めて汲みぬ山清水
どの色も雫と散りて揚花火
花野ゆくうしろすがたの人ばかり
目くばせをされたるここち返り花
定位置にテーブルもどす四日かな
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[はらだけいこ(1948〜)「香雨」同人]
鑑賞三句:鷹羽狩行
序:片山由美子
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
218頁
2025/09/30刊行