◆第五句集
常に「俳諧自由」でありたい。
百世、百慮の一人一人の俳句人生とつながり合いたい。
(著者)
◆自選十五句
鳥影よアジアの霧の階昇る
猪食うや有無を言わせぬ山の闇
妻でなく母でなく午後のアネモネ
予言の書春の氷をめくりけり
百人に死は百通り薔薇の香水
人間の水を貫く天の川
滝の前みな脊椎を光らせて
今は亡き西夏を呼ぶは夕雲雀
椰子遥か母国とは蝶の言葉とは
茶封筒虹を運んで行くところ
抱くときは素手でなければならぬ月
淡雪や陸が近づくように夜
桜蘂降るときどきは鉄のひびき
木の実降る声がことばとなる子ども
ひとりごとばかりがぎゅっと煮凝りぬ
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[つしまやすこ(1953〜)「麦」会長・「天為」最高顧問]
装丁:間村俊一
四六判上製カバー装
208頁
2025/09/10刊行