◆第二句集
針のごとくひかりあふうを神の留守
句集を編んでいてあらためて感じたことは、日々の出来事に驚きやささやかな喜びがあるということでした。(あとがき)
◆自選十二句
てつぺんは日に透けてゐる栃の花
影尖る舳先や鮎のあらはるる
鳥渡る遠ざかりつつ入れかはり
はんざきの流木に羊歯芽吹きけり
ゆるやかに曲がる轍や芹に雨
一枚の鯵を吊りたる鼬罠 ※鯵=正字
束子からまづ溶けてゐる春の雪
蝌蚪の水翅のやうなる葉を沈め
るるるると花の岸辺を鳴きかはす
岸に積む岩に咲きゐて灸花
ぷうぷうと猫のいびきや藪柑子
着水の水鳥おのが影を抱く
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[かなやまさくらこ(1959〜)「なんぢや」同人、「儒艮」参加]
栞:岸本尚毅・久保純夫・江里昭彦
装画:金山雅幸
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
170頁
2025/08/11刊行